辛くない韓国 なかしましほ

第1回 ヘジョンさんの器と水キムチ

昨年の夏の終わり、ソウルの山の麓にアトリエを構える、
陶芸家のキム・ヘジョンさんをたずねました。
ヘジョンさんを知ったのは、日本のある雑貨屋さんのウェブサイトでした。
そのお店のセレクトするものが好きだったので、
韓国の陶芸家さんが個展を開いたと知って、どんな作品を作られる方なんだろうと興味を持ちました。
その後共通の友人にご縁をつないでもらい、今回直接アトリエでお会いすることができました。
以前から思っていたのは、韓国の人は普段どんな器を使っているのだろうということ。
訪ねた友人の家や、食堂、ドラマの中などで見たのは、
量販店で売られているものや、手頃な値段の揃いの食器セットが中心、
作家さんの器を楽しむのはまだ限られた人たちなのかな?という印象でした。
実際ギャラリーなどで見る現在の作家さんの器は繊細で美しいものが多く、とてもすてきですが、
日常で使うにはちょっぴり緊張しそうです。
でも、ヘジョンさんの器を見せてもらった時、私は日用品としてこの器を使ってみたくなりました。
美しさと生活が感じられる器なのです。



ヘジョンさんは東京で生まれ、10代で韓国へ。韓国の美大で陶芸を学んだ後、
日本やイギリスで作陶を続け、そして再び韓国で暮らしています。
いろんな場所で暮らし、ごはんを食べてきたヘジョンさんが作る器には、
和食も韓国料理も、もちろん洋食も、どんな国の料理もすんなり受け止めてくれる、
無国籍な雰囲気が感じられます。
中でも私は、ヘジョンさんが薩摩焼の沈寿官窯とコラボレーションしたプロダクツ
(CHIN JUKAN POTTERY)に惹かれ、日本に帰ったらすぐ買おうと決心しました。

帰りは友人たちと、地元の人たちで賑わうごはんやさんへ。
脂身の少ない豚肉とこれでもかとたっぷり盛られたねぎを、ぺこぺこのアルミの上で焼いて食べます。
ラードでカリっと焦げたねぎが香ばしくおいしい。
シメにはごはんを入れたポックンパ(チャーハン)を。見た目ほど全然辛くなくてうまみたっぷり。
こちらもスプーンで底をこそげて奪い合うように食べました。


帰国して購入した、CHIN JUKAN POTTERYの「Bloom」。
サイズもいろいろあり、入れ子にできる器です。
ごはんにもおかずにも合わせやすいやさしい乳白色の色合い、
両手にぽってりと馴染むやわらかな曲線、細やかな貫入。
少し涼しくなってきた秋の日、水キムチを作りました。
本来はアミ(小エビ)の塩辛を入れますが、日本では手に入りにくいので、
同様に魚系の旨味が詰まったナンプラーを。
発酵とともにラディッシュの色みが汁に移って、きれいなピンク色に。



水キムチのレシピ

【材料】
・好きな野菜(大根、きゅうり、かぶ、りんごなど季節により好みのものを。この日は家にあった大根、白菜、ラディッシュ、梨、かぼすで) 以上全て好みの量
・塩 少々
・漬け汁…水1カップに塩小さじ1/2、ナンプラー少々、ゆず茶(またははちみつ)小さじ1/2
 *この割合で、野菜がひたる程度の量を加減する。
・糸唐辛子 適宜

【作り方】
1.大根、ラディッシュは薄切りにして塩少々をふり、しばらく置いて水気を軽くしぼる。
白菜は食べやすい大きさに切り、梨は皮をむいて薄くスライスする。
*他の野菜を使う場合も、水気の多いものは一度塩をして水分を軽くしぼる。
2.水を沸騰させて火を止め、調味料を加えて、冷ます。

3.保存容器に1を入れ、2をかぶる程度に注ぎ、冷蔵庫に移す。
器にもりつけ、かぼすの薄切り、糸唐辛子を散らす。





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