読みもの

アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険

宮田珠己【著】/網代幸介【画】
ISBN 978-4-908465-16-1
四六上製/384ページ/カラーじゃばら8ページ付
定価 2,500円+税
奇想天外な旅へ、いざ(しぶしぶ)出発!
「プレスター・ジョンの王国を探せ!」 マルコ・ポーロが『東方見聞録』を発表したのと同じ頃、行ってもいない東方世界の旅行記を著した稀代のペテン師ジョン・マンデヴィル。世に出るのを厭い、苔と羊歯の庭いじりを唯一の喜びとしていた息子アーサーは、ある日教皇から呼び出され、亡き父の書に記されたプレスター・ジョンの王国を探すよう命じられる。しかしその情報源は父の遺したデタラメ旅行記だった。 待ち受けるのは、羊のなる木や、魚にまたがるアマゾネス、犬頭人にマンドラゴラ、背中にギザギザのある怪物…… 「ありもしない王国を探しに行くなど、人生をねずみの餌にくれてやるようなものだ」。 不満たらたらのアーサーに同行するのは、柄の悪い傲岸不遜な修道士と書物好きで夢見がちな弟。たよれる武器は、蝿を遠ざけることのできる指輪のみ。果たして父の書に真実はあるのか。驚異と笑いに満ちた奇想天外な旅へ、いざ(しぶしぶ)出発!  ーー東洋奇譚をもとに描く宮田珠己の新境地、ここに誕生。 網代幸介氏による幻想的なじゃばら絵巻つき。

もくじ
世界全図
第1章 アーサー・マンデヴィル、 ローマ教皇に謁見する
第2章 スキタイの子羊を求めて
第3章 女軍団の島アマゾニア
第4章 犬頭人の舟
第5章 マンドラゴラを採る方法
第6章 海を漂う少女
第7章 巨大蟻と金の山
第8章 ワークワークの美人果
第9章 最果ての国
第10章 プレスター・ジョンの祈り
参考文献