岐阜さんぽ with 文字好き少年 その4 繊維問屋街

その3のつづき

年をまたいで2017年。遅くなりましたが、皆さまあけましておめでとうございます。Eくんからすてきな年賀状が届いたので紹介します。

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これは、Eくんにプレゼントした『タイポさんぽ改』にも収録されている『タイポグラフィ・出会いがしら系』表紙のオマージュ!

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彼が隅から隅まで本を読んでくれたことも嬉しいし、このデザインに対する尊敬が感じられて、我がことのように嬉しいなー。(デザインは著者:藤本健太郎氏本人)

そんなEくんと過ごした岐阜での一日のレポートもいよいよ後半戦です。目的地である岐阜繊維問屋街へ突入!

20161105-dsc_6019 ▲いきなりの変化球で恐縮ですが、こちらのマルヒロさんは退店された後のようです。

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▲店名ロゴを剥がした跡、それを留めていたボンドのウニョウニョと、その周りのわずかなラインが確認できます。

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▲他店の例ですが、先端が花のように開いた文字デザインだったことがわかります。このように写真を大きなサイズで見直してみると、現場では気づけなかったことに気づくことがよくあります。

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▲「黒い瞳」

徹底して平行四辺形エレメントを反復させた文字も興味深いのですが、なんといっても〝瞳の図案を中心に大胆に配し、それを包み込むエレガントな装飾を文字と絡ませた〟構成のインパクトがすごい! ミステリアスで情熱的な大人の女性が好む洋服を取り扱ってらっしゃいそうです。(BGM

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▲「雅美久」

「黒い瞳」から少し離れた場所にあった「雅美久」。

Eくん
さっき見た黒い瞳に似てる!
まつむら
だよねー! 同じ職人さんがデザインしたのかも
Eくん
きっとそうだ!

実際はそこまで似ていないのかもしれないが、そんな会話ができる小学四年生が日本に存在しているのです。未来は明るい!

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▲「羅夢」

……どれも同じ職人さんの仕事に見えてくるから不思議なものです。

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▲問屋街は通りごとに仕切られていて、各々趣向を凝らした看板が設置されています。ここは「問屋町東一丁目」。…ん?

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▲これはその3でも紹介したプレート引っかけ型の看板! Eくんにも即、「さっき見た駐車場のPと同じ手法!」Eくんにも大声でしらせました(笑)

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▲問屋町二丁目は「レインボー通り」という愛称で親しまれています。流れるようにデザインされた「レ」〜「ボ」が気持ちいい!

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▲「通」にズームしてみました。美しささえ感じる経年劣化はさておき、この「通」、どこか他の通りで見たことがあるフォルムなのですが、なかなか思い出せません。(思い出したらTwitterで報告します)

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▲ステンシル吹きつけによる「駐車禁止」
Eくんが目ざとく見つけてカメラに収めていました。

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▲街で三角のロゴマークを見つけると、どうしても藤本健太郎さんのことを思い出してしまいます。しかし「ビッグエンヂェル」の鳥はR・ローウィ作のアレそっくりですね。

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20161105-dsc_6077 ▲書き順ごとに少し間をあけてステンシルのようなデザイン処理をすることはよくあるけれど、この「ネ」は2画目を途中でやめて4画目へと繋いで見せている例。「ッ」の繋がったチョンチョンや墨溜り(先端の黒丸)のずんぐり処理など見所が多い「マリオネット」です。

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20161105-dsc_6049 ▲Eくんもお気に入りだった「マウントイエス」。特定の箇所にだけ抑揚のあるラインを用いてアクセントをつけることにより、良いリズム感とグルーヴ感が生まれています。「ン」の★も効いてます。

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20161105-dsc_6092 ▲「マイアミ」は「ミ」に注目してしまいました。先端のヒゲの付き方が「マ・イ・ア」とは逆なんですよね。水平方向に反転するとこうなります▼

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「設置時に間違えちゃったのかなー」と思うと、さらにこのロゴが好きになってしまうから不思議なものです。(でも小さな「ミセス」の「ミ」もそうなっているので間違いではないのでしょう)

選んでるわけではないのですが、奇しくもカタカナと漢字ばかりの紹介となってしまいました。自分でも「よくひらがなタイポの本が作れたな…」と感心してしまいます(笑)

次回も繊維問屋街の素敵な文字をご紹介します!

つづく

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