その5のつづき
3カ月にわたりお送りしてきた本連載もいよいよ最終回です。
今回は「ひらがなごー」でおなじみのE少年と、「よきかなひらがな」でおなじみ私松村がお互い好きになった文字ベスト5を発表します。
早速Eくんのベスト5!(コメントは本人からいただきました。)
ぎふしん
丸みをもちながらたてが太く、よこが細い。しかも円が一つ一つあるように見えるので、いいと思います。
古本の店
テープの感じを出しながら、機械てきなようそも入ってるし、「の」の書きはじめが丸くなってるところがかわいくていいと思います。
ミフジ
「ジ」のはらうところがかっこよくていいし、fashion PORT TOKYO とのショットもいいです。
マウントイエス
「マ」が音符のようで、それをもうひとつ入れたかったのか「ス」の一画目がのびている!そして「エ」にぶつかるかぶつからないかというところで止まる。まだ(デザイナーは)もう少しアクセントが欲しかったのか「ン」の点が☆に
たんぽぽ
これこそ日本語音符!といいそうになるほど音楽記号に似ていて、それよりもすこしくねくねしている「たんぽぽ」。読めるぐあいにくねくねしている
もはや「大人顔負け」と言うより、Eくんでしか感じることができないポイントがいくつかあったと思います。うれしいなー
つづきまして、松村のベスト5です。順不同。
那加自動車学校
待ち合わせした喫茶店の近くにあった立看板。Eくん親子は見逃したかも。なるべく直線だけで構成しながらも、始筆と主な角をすべて丸めたテクニシャン。
ジュネスの「ジ」
Eくんの言うところの音符的エレメントをも持つ「ジ」。最初の二画のトメ部の逆ウロコ処理は他にあまり例を見ないかと思います。
マルニシ
平筆やマーカーで書かれたような横画と縦画のコントラストをするどく決めつつ、角に丸みを持たせ親しみやすさも併せ持った、右上がりも味わい深きカタカナ。真似したくなります。
東海ボタン
さきほどの「マルニシ」と近い発想の書影なんだけど、書道的で人間臭い抑揚も見られます。この上に何かが貼られていたのか、変色した糊の跡が長い歴史を物語っていますね。
マルダイ
その2でご紹介したマルダイという刺繍屋さん。刺繍文字を見てしまうと、技術に目を奪われ字の形が見えにくくなってしまいますが、フラットな状態で見直してみると、寄席文字や勘亭流のような江戸文字的骨格が見えてきます。
以上です。またしても「松村、ひらがなナシかよ!」という声が聞こえてきます(笑)
さておき、繊維街をあとにした我々は、柳ヶ瀬のアーケードを少し見物しつつ、お別れしました。↓ロイヤル劇場にて
長時間連れ歩いてしまって疲れたかなー。と思いきや……
帰宅するなり、お土産にプレゼントした『写真でみるレタリング入門』を傍らに、レタリング入門しちゃってました。ええぞーー!!
そんなEくんの将来の夢は音楽家(作曲家)だそうです。
……グ、グラフィックデザインもできる音楽家になると僕は思っています!
10年後にまたEくんと一緒に「ひらがなごー」できるといいなー
当ブログ読者の皆さま、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次の機会に!