藤本健太郎 vs 松村大輔「まちのよきかな十番勝負」Round 3

Round 2のつづき

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ふじもと
心(笑)
まつむら
「心」のような「ル」です!

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ふじもと
心・ロア。
まつむら
笑。ル・ロアという洋品店さんです。読み仮名的に小さく扱われる部分なのに、活字を使わず心血を注いだ制作者の心意気に、こちらの心も躍りました。以上です(笑)。(小ネタはサラリと)
ふじもと
台湾でソックリな「心」見たなぁ。

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ふじもと
ボールドな「に」。
まつむら
「に」。端々に江戸文字を感じるテイストですが。

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ふじもと
▲最初、こういう出会いだったんですが、えっ!?って思いましたね。
まつむら
出会いが壮絶!
ふじもと
ちょっと小判3枚、みたいな、家紋っぽいアプローチを感じますよね。
まつむら
言われるとそんな気もしてきますがw
ふじもと
これ、ひらがなの「に」に見えますが、実は「棒」と「漢数字の二」なんですよね。これで「ボーニ」と読ませるようなんです。

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まつむら
「紋」というか「ロゴ」というか。
ふじもと
驚きの「ボーニモリヤ」。最初そう書かれても一瞬何のことだかわかりませんでした。

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だいふく
ひらがなじゃない!
ふじもと
たてもののサイドにはこんな古いレリーフ屋号も残っていて、感動しました。
まつむら
これ、よく見つけましたね。色がなじんでて見つけにくそう。
ふじもと
建物の装飾が完全にアールデコですよね、これは!

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ふじもと
棒と漢数字だったものが、奇しくも「に」にしか見えないっていう、これもまた、「よきかな」でございました。
まつむら
モダンですね~~。「ボーニ」は当時の流行りの屋号だったりするんですかね。そんなことも調べてみたいです。さて。

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まつむら
ネオン多めですね、今回。
ふじもと
音圧のある「ギ」だなーー!
まつむら
これは一文字で見ても、まあ、ゆーても普通っぽい「ギ」ですが、

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ふじもと
インラインの入ってる場所がイキですよね。「ワ」なんかそこに入れるか!! っていうかっこよさがある。
まつむら
「ワカギ」という屋号から、一文字ずつを「分かつライン」を入れたのかと想像しました。
ふじもと
そうだったらすごい。看板を作るに際し、クライアントから出たヒントが〝ワカギ〟の三文字のみ。どうしようか、う〜〜んってなって、「じゃあ、分けるか……。」
まつむら
「インライン」は普通、字のカタチに沿って入れますよね。

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ふじもと
セガ字。そう、ふつうインラインっていったらこうしますよね。変則インライン、これ絶対仕事で真似しよ(笑) こちらのユは、全景どうなんですか?

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まつむら
↑全景です

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ふじもと
たまんないなぁ。このレッドバロンめいた謎の顔(笑)。
まつむら
レッドバロン、大好きなんですよ(笑)。
ふじもと
ユタカさんの肖像なんでしょうね、やはり。
まつむら
うーん、当時のおしゃれ男子のアイコンかと思ってたけど。
ふじもと
レッドバロンの顔も70sヤングテイストからただようトラウマティックな魅力がありますよね。恐怖とクールの中間地点。高田馬場BIGBOXの今は消えてしまった走る人の壁画も、同じにおいがありました。
まつむら
トラウマ要素こそが魅力なんでしょうね。「いの一番」しかり。

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ふじもと
あ、カメラやさんだったんですか!? なんかこのギ、一文字を味わうとほんと短くて強い「ギ」の音を感じますよ。 公園を歩いていて、おもいのほか耳のすぐそばから「ギ!!!」とひとことだけセミに鳴かれたような。
まつむら
詩的だな~。
ふじもと
中心のインライン処理が音割れを感じさせる(笑) ディストーション(笑)

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ふじもと
続く「も」ですが、普通ですいません。
まつむら
「読みにくければ良い」という勝負ではないですしね。キレイです「も」!
ふじもと
一夜あけて二日目、昨夜函館ネイティブな方から「あそこは絶対行くべき!出ものあると思う」と伝授された「中島廉売」という界隈を訪れたんですよね。
まつむら
へー、廉売? 地名ですか?
ふじもと
一本の通りに面して、両側に古くからの商店が並ぶ界隈なんですけど、「商店街」っていう言葉が生まれる前なのか、「廉売」という呼び名があったんですよね。もう僕らの祖父・祖母くらいの世代のワードですかね。
まつむら
「廉売」、覚えました!
ふじもと
字義通りにいけば「ディスカウント・ストア群」ってことなんですが、またニュアンスはちょっと違うみたい(笑)。いまでも「大廉売!」っていうことばが「大売出し!」に近いテイストで使われますよね、ときどき。
まつむら
言うかなー、どうかなー。幟とかに書かれていそう。
ふじもと
とにかくその中島廉売を訪れたんですが、ビュービューと風の吹く台風みたいな天気で(笑) 傘さしてても膝からした水ビタシみたいな!
まつむら
なんだかいろいろスミマセン。
ふじもと
いや、それも旅の醍醐味だからいいんですが、で、看板のほうにあんまり集中できなくて。
まつむら
そりゃそうですよね。写真も撮りにくくなる。
ふじもと
むしろ文字よりも、ところどころ枯れて消えた商店の跡なんかも残る界隈を、くねくねとあっちこっち歩き回って、まちなみを味わってきた感じ。そこで唯一、お店の手作りレタリングに出会えたのがこのともださん。

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ふじもと
「中島廉売」で画像検索していただくと、周辺のイキフンがわかると思います(笑)。 きっといきたくなりますよ。
まつむら
好きな感じ。「と」はあまり見かけないレイヤー感。
ふじもと
これはリボン文字というかテープ文字というか。ヒラヒラッとしたのをペッ!と貼ったような書き方ですよね。
まつむら
リボン系、好きなんですよね-。こんな僕でも作字してみたくなります。
ふじもと
しましょうよ(笑)
まつむら
ぶっちゃけると一日机に向かって作字してるより、街に出て文字を探してる方が幸せなんですよね。
ふじもと
いやそれほんとそうですよ……(←きのう朝から晩まで丸一日が作字の苦しみに消えて行った人)『ニホンゴロゴ2』の表紙の字はあれは作られたんですか?

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まつむら
あ、『ニホンゴロゴ2』は作字しました。珍しく! ロゴの本なので結構なプレッシャーでしたが、テーマ的にフォントはありえないし!
まつむら
そんなわけで、あと何ネタありますか? ぶっつづけで大丈夫ですか? こちらあと10もあります。
ふじもと
あと10ネタありますね!

Round 4へつづく!



[今週の告知]

次回よきかな関連スライドトークイベント
純喫茶文字ナイト」with難波里奈さん(満席)
荻窪・6次元 2016年9月6日(火)

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